映画「裏切りの戦場 葬られた誓い(L'Ordre et la Morale)」

Bonjour !

昨日の続きで、フランス領ニューカレドニアのウベア島の独立の戦いの映画で、邦題が「裏切りの戦場 葬られた誓い」、
原題が"L'Ordre et la Morale"、海外では2011年公開、日本でも2012年に公開されていました。

1988年4月、フランス国内では現職のミッテラン大統領とシラク首相が激突する大統領選挙が近づいていました。そんな中、ウベア島の原住民カナック族のうちの独立過激派がフランス憲兵隊の宿舎を襲い、4名を死亡させ、憲兵隊員26人と裁判官1人を人質に洞窟に立てこもったという事件です。国家憲兵隊治安部隊(GIGN)のリーダーだったフィリップ・ルゴルジュがこの問題解決の交渉に任命され、部下50名とともに現地に飛びます。ところが、現地では精鋭300名を率いる陸軍が幅を利かせ、ルゴルジュは彼らの指揮下に入ることを余儀なくされます。平和的な解決を望んでいたルゴルジュですが、5月5日に襲撃がおき、この事件は悲惨な結末を向かえます。ル・クレジオの本では、この結末が簡単に記されていて、カナック族の19人が殺害されたとあります。ルゴルジュはその顛末を記した手記"La Morale et l'Action"を、1990年に発表します。1998年、監督のマチュー・カソヴィッツは、人権連盟の発表したウベア事件の報告書を読み、映画化を決意したのです。

映画からそれますが、この独立事件の後、独立派のリーダーだったジャン・マリー・チバウ(Jean-Marie Tjibaou)が、6月26日フランス政府との間でマティニョン協定を結び、北部州を中心にカナックが多く居住する地域に経済援助を増大することやカナックの文化を尊重し促進することが規定されましたが、1989年この協定の反対派に暗殺されてしまいます。この独立のリーダーを記念して建造されたのが首都ヌメアにあるチバウ文化センターです。イタリアの建築家レンゾ・ピアノ氏設計のこの建物、カナック族の家カーズを模した近代的な建物ですが、周囲の自然によく調和した素晴らしい建物です。

映画ですが、シナリオの電子版が500円弱でGoogleで販売されています。
サンプルが全体の4分の1ほど無料で読めますので、それを読みました。余裕のある方は購入して、全部読むと、さらに理解が深まると思います。

「天国に一番近い島」ことウベア島で、こんな事件があったことを知らずにいましたが、原住民と白人との対立というのは、今もどの程度あるのかと思ったりします。

A demain !



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コメント

今だに旧植民地でイザコザ。。。

はじめまして。

行ったことないのですが、あの平和なそうなニューカレドニアでそのような紛争が展開中なんですね。

本当にびっくりというか暗澹とした気分になってしまいます。1988年てついこの間のことですものね。

かの地での紛争について国連は何らかの行動を取っているのでしょうか?

何にもしていないような気はしますけれど。。

旧植民地での闘争はモザンビークやナミビアで終焉を迎えていると思い込んでいました。。

いやはや。。

Re: 今だに旧植民地でイザコザ。。。

コメントありがとうございます。
これは80年代の事件で、いまも展開中ではありません。
いちおうフランス政府との間で協定も結ばれ、記念の文化センター
も建設されたのです。
現在は、リゾートホテルもでき、過去のことを知らない観光客は、
美しい島の思い出だけを心に焼き付け帰国します。
ただ、1988年に亡くなられた人々の縁者はまだ生存している
はずですよね。だから完全に過去の事件となったわけでも
ないですね。

ご回答

ありがとうございます。

一応の決着はみているわけですね。
とりあえずホッとしています。

>ただ、1988年に亡くなられた人々の縁者はまだ生存している はずですよね。だから完全に過去の事件となったわけでも
ないですね。
そうですね、ついこの間の事ですから過去の事件とは言えないし、また忘却の彼方へ押しやるのもそれはそれで問題ですよね。

また覗かせて頂きますね。

ご回答ありがとうございました^^

Re: ご回答

どういたしまして。
この1992年に出たフィリップルゴルジュの本を読むと、
事の真相がもう少しよく分かるでしょうね。
森村桂さんの「天国に一番近い島」に書かれている
ウベア島は、こんな暗いところがなかったですね、

またのご訪問をお待ちしています。

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petitcedre

Author:petitcedre
フランス語サークル、パルレーを主催しています。
フランスとフランス語に興味のある方なら、どなたでも大歓迎です。
写真はヌメアのCroix-Rougeでのフランス語講座の光景です。



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